こんにちは。
突然ですが、私は毎日、日記をつけるのが習慣です。今日は日記を書くのが楽しくなる本をご紹介します。
古賀史健さんの『さみしい夜にはペンを持て』
表紙がとてもきれいですよね。
まずはざっくりと、あらすじをご紹介します。
あらすじ
物語の舞台は海の中。
タコのタコジローは、悩みを抱えています。それは緊張すると顔が赤くなって、口から墨が出てしまうこと。そのせいでクラスメイトにいじめられています。
そんなある日、タコジローはついに学校に行けなくなってしまいます。降りなければいけない最寄りのバス停で、降りることができないのです。
そして、そのまま学校を通り過ぎ、辿り着いた公園で、ヤドカリのおじさんと出会います。
ヤドカリのおじさんはタコジローの話を丁寧に聞き、彼が抱えている生きづらさを少しずつ解していきます。
その過程で、おじさんはタコジローに日記を書くことを提案するのです。
書くということは、自分と対話すること。
日記を綴るうちに、そしておじさんと対話するうちに、タコジローの中に変化が生まれていく……と言うお話です。
文章を書くノウハウが、対話の中で書かれていて、非常にわかりやすいです。
スローモーションで世界を見てみる
昔の日記を読み返したときに、面白いと思う文章もあれば、退屈な文章もあります。
どうしたら、読み返して面白い文章が書けるのか………。
答えはこの本に書いてありました。
それは、スローモーションで世界を見てみる、ということです。
私が退屈だと思った文章は、その日あった出来事を、朝から順番に並べただけだったのです。例えばこんな感じ。
これはただの「記録」です。1日の出来事を羅列しただけ。
そうではなく、もっと、ゆっくりじっくり、そのときのことを思い出してみるのです。
どうしてその店をランチに選んだのか、なぜそのメニューを注文したのか、どのくらい美味しかったのか、友達と何の話をして何を思ったのか。
1日の出来事を、深く、深く振り下げてみると、意外と色んなことを感じたり気づいたり、思ったりしているはずです。それを書けばよいのです。
たとえ1箇所でもいいから、どこかの場面をスローモーションで描く。そうすれば表現は豊かになるし、ことばもていねいになる。
引用:古賀史健『さみしい夜にはペンを持て』(p.185)ポプラ社
1箇所でもよいのなら、気軽に取り入れられそうですよね。
最後に………
日記は誰かに読んでもらうのでもなく、自分のために書くもの。
読者は自分だけ。
でも、せっかく書くなら記録で終わるのではなく、読み返したときに、そのときの情景や感じたことが思い出せるくらい、面白い文章が書けたら尚よいですよね。
日記が習慣化している人も、あるいはこれから挑戦したい人も、どちらにもおすすめしたい一冊です。
気になった方はぜひ読んでみてください。