今回は綾辻行人さんの館シリーズ5作目、『時計館の殺人』をご紹介しようと思います。
最初にお話ししますが、館シリーズは1作目の『十角館の殺人』から順に読むことを強くおすすめします!
『時計館の殺人』では、他の館シリーズのネタバレが多少含まれていますので、気になる方はぜひ、「十角館の殺人」からお読みください…!
あらすじ:亡霊が出ると噂の時計屋敷
出版社でオカルト雑誌の編集者をしている江南は、取材チームと共にとある屋敷を訪れます。
その屋敷には亡霊の噂があります。
少女の亡霊が棲みついていて、屋敷を抜け出し、付近の森を徘徊するという。
江南たち取材班は、特別企画と称して、有名な霊媒師と共にその屋敷で交霊会を開きます。
交霊会は3日間。
期間中は屋敷に閉じこもって、外部との接触を断ちます。
亡霊が棲みついているという屋敷で3日間を過ごす、、いやな予感がしますよね。
交霊会の夜、霊媒師が行方不明になります。さらにそれからひとり、ふたりとメンバーが殺され、屋敷内は恐怖のどん底に。
屋敷から出るには鍵が必要です。そしてその鍵は行方不明になった霊媒師が持っています。
屋敷からは出られず、外部と連絡も取れず、江南たちは3日間が過ぎるのをただ待つより他ありません。
霊媒師はどこへ消えたのか、連続殺人の犯行手口とその犯人は、そして目撃されている少女の亡霊の正体は、様々な謎に対して、屋敷内では江南が、外ではその友人の推理小説家が真相に迫ります。
時計塔と館内の時計たち
館シリーズといえば、館そのものが魅力的。
今回の館もこれまでの館と同様、建築家の中村青司 氏が手掛けています。
中村青司 氏のこだわりぶりには少し狂気を感じます。
例えばシリーズ1作目となる『十角館の殺人』では、館に配置されているあらゆる家具や食器が十角形をしていました。
今回出てくる屋敷がなぜ時計館と呼ばれているのか、それは屋敷の象徴となる時計塔に加え、屋敷中には古今東西様々な時計が飾られているからです。
その数は全部で108個。
その時計たちは一秒の狂いもなく時を刻み続けています。
想像してみてください。
幽霊が出るかもしれない屋敷に、3日間閉じ込められる。
四方八方には様々な時計が飾られ、すべて同じ時を刻んでいる。
11時、12時と、ちょうどになったとき、屋敷中の時計の鐘が一斉に鳴り響く。
とても不気味だと思いませんか?
不気味だけれどミステリとして、とても魅力的ですよね。
最後に………
ページを開いたその瞬間から、もうこの世界観に引き込まれます。
妖しい館に、亡霊の噂、交霊会そして連続殺人事件。
ミステリ好きにはたまらない要素ですよね。
今年の2月にドラマ化されるというのですが、時計館の妖しい雰囲気がどこまで再現されているのか、とても楽しみです。
気になった方は、ドラマを見る前にぜひ原作をお手に取ってみてください。