発売当時から、他とは違うそのサイズの小ささに、ひと際異彩を放っていた小説。
背筋さんの『口に関するアンケート』。
背筋さんと言えば、「近畿地方のある場所について」が爆発的な人気を得て、今年は映画化もされました。
そんな背筋さんが執筆された『口に関するアンケート』、手のひらサイズで60ページと短いのに、とても怖いと話題になりました。
今日はそんな「口に関するアンケート」を紹介したいと思います。
あらすじ:肝試しに訪れた学生たち
村井翔太は仲間と共に、肝試しに訪れていました。
場所は房総のO市、山奥にある墓地。敷地内にある大木が何でもいわくがあるらしく、心霊スポットとしてとても有名だそうです。
一人ずつ、墓地に入り、大木の下を通って、車の中へ戻る。
深夜の心霊スポット、何も起きないはずがありませんよね、、
後日、一緒に肝試しに行った仲間の一人が、自殺してしまいます。
みんなで行ったあの墓地で、首を吊って。
残りのメンバーはどうなってしまうのか、果たして、、、といった内容です。
物語の構成は各キャラの語りとアンケートのみ
この小説は、あの日の肝試しのことを各キャラが一人ひとり、語っていきます。
そのため、別のキャラでは語られなかった事実や心情があるので、最初はこうと思って読み進めていても、次の人の話で「え、そうだったの?」と思うことが多々あります。
そしてこの小説のメインディッシュは、末尾にあるアンケート。
※絶対に、本文を読み終わってからアンケートに答えてください。
決して最初にアンケートに目を通してはなりません。この小説の魅力が半減してしまいます。
ちなみに私は最後にこのアンケートを読んで、鳥肌が立ちました。
最後に………
すべて語りだから文章も堅苦しくなく、とても読みやすいです。
60ページ&手のひらサイズなので、サクッと読めるのに、内容はしっかりと怖いです。
2026年に映画化するとの情報がありますが、一体どのようにして映像化するのでしょう、、、
某ミステリ小説のように、「実写化不可能」と言う程ではありませんが、物語の構成上、実写にするのはなかなか難しいと思うのです。
文章だからこそ、最後のアンケートでゾッとするといいますか、、、
気になる方はぜひお手に取ってみてください。